サラリーマン釣り人にとって、夢の遠征というと「小笠原」が頭に浮かぶ方は多いと思います。
フェリーで父島まで24時間、期間は大抵1週間以上見ておかないと危険、など、日本の標準的な企業に勤める人にとっては、最初から諦めて、ほぼ検討も計画することもないだろう場所だと思います。
今回、30年勤めた会社を退社したのを良いことに、5月29日から6月2日まで遠征をしてまいりました。
まずは、備忘録として、また「小笠原」に対して持っていた先入観がちょっと違っていた点について書きます。(まとまっていない書き方ですみません。)
今回は数年前にトカラ列島の諏訪之瀬島で知り合った公務員のKさんと2人で母島へ行って来ました。
母島に行って来て、まず感じたところを書くと
1「思っていたほど、遠征のハードルは高くないのでは?」
2「思っていたより、情報少なく、トカラなどと比べても釣りに関しては、場所も魚もスレていない」
3「でも、魚は簡単には釣れない」
4「現地に行かないと分からない事も多い(当たり前だが)」
1の遠征のハードルの高さについて。よくよく考えると、東京近郊からトカラの離島に行くのと費用・日程共にそれほど変わりません。むしろ、帰りに鹿児島に1泊する事などを考えると、もしかしたらお安いかも? 飛行機も荷物などが面倒だし。(鹿児島市内〜空港のバス移動などなども含め)
日程について。一番心配なフェリーの運行ですが、よほどのことがない限り、欠航はしないそうです。島の人々の生命線でもあるため、台風が直撃したりしない限りは運行しているようです。例えば予報で梅雨前線の影響で波高・風雨がかなり強くても運行しているかもしれません。
2について。渡船を専業としている方は居ないと思われます。我々が乗船した「えびす丸」さんも渡船客が居ない時はメカジキを獲っているとのことです。
小笠原で沖磯に乗る、という人はまあそうそう居ないと思います。。。
地元の釣り好きの方や、本土から通う限られた大物釣り師(石鯛含む)だけがまれに利用しているのだと思います。
従って、沖磯も船長の選定におまかせすることになると思います。
磯に上がると、足元にはカスミアジ・カッポレが群れて泳いでいました。足元のエグレに潜んでルアーが通ると飛び出して来ます。ただ、針にはかかりませんでした。これは私の動かし方にも問題があったか、活性が低かったのか不明です。
同行したKさんはジグとバイブレーションを使って「バラハタ」「カッポレ」を釣っていました。目で見えるし、何回かトップでも追ってくるのも見えて、ポテンシャルはすごいと感じました。
3魚が簡単に釣れない。これはいろいろと原因があると思われますが、まあ、自分の腕が無いのが最大の理由です・・・が、それはひとまず置いておいて・・。どういうことかというと、2で書いた通り、魚は見えるし、ルアーを追って来て少し戯れたりするのですが、口を使ってくれません。
私としては、帰った後、シャワーにかかっている時に、ふと「同じ方向に同じような大きさの同じようなルアーを投げたら、もしかして・・」と思いました。2人で沖磯に乗りましたが、お互い違う方向に思い思いのルアーを投げていました。一人はでかいポッパー、もう一人は100gジグ、など。
これだと、足元なら良いですが、遠投しても、なかなか見つけてもらえないのかもしれないと思いました。
一概にそれが原因ということでは無いと思いますが、魚からルアーを見つけてもらう、小魚がたくさんいる演出、と言った点では試す価値があったかも、と思いました。(けっこう後悔しました。)まあ、分かりませんけどね。
4現地でないと分からないことがある。悲しいことに、堤防からの釣りについては、6月中ぐらいから末にかけての「梅雨明け」後が良かったそうです。
今回は、堤防だと、見た目「サメ」しか泳いでいませんでしたが、夜釣りしていた地元のお爺さん曰く「6月中旬に梅雨明けると、メアジを追ってGT,イソマグロ、カンパチも港の中に入ってくるよ」とのことでした。どうやら行くのが早かったようです・・・・
結構港の中まで入ってくるので、先端でやる必要もなく(逆に先端はテトラで切られる)真ん中辺で釣りをすれば、走られても獲ることができるそうです。(おじいさんは泳がせ)
今回、トカラの夜堤防か、小笠原か迷いましたが、昼の明るい時に、魚が見えて、ルアーを追ってくるのが見えたりするのは、楽しかったですね。
また、同じ宿に泊まって渡船を使ったエキスパートのグループがいました。その方達はGTやイソマグロをかけていたものの取り込みできなかったり、サメにやられたりしたそうです。やはり難易度は高いですね。
あと、渡船の船長さんにあらかじめ「うちらは初心者に毛が生えたようなものです。足場がなるべくしっかりしたところが良いです。」とお伝えしていましたが、実際渡ったのは、先述のエキスパートっぽいグループより、うねりが入ってくる、低い磯でした・・。自分は磯に降りる時少し転けました・・・。
あと、天気予報もコロコロ変わるので注意が必要です。今回、あわせて2日間渡船する予定でしたが、2日目は波と風が高く強いという話でしたが、蓋を明けると、2日目の方が穏やかだったようです。(風裏に行ったのもあると思います)
この時期だからということもありますが、スコールと強風は覚悟して臨む必要はあります。また、風向きがころころと変わり、特にうねりと同じ風向きになると、30秒でうねりが高くなります。。。。荷物も波に洗われて怖かったです。
我々の渡った磯が低く、うねりが入って来て、しかも上潮だったので、15時収容のところ、13時30分で船に回収されました。ちょっとうねりが高くなり、磯全体を洗うようになって来て、これ以上高くなると乗船も難しくなりそうだったので手を振って呼びました。(船は船首にタイヤはなく、ベタ付せずに乗り降り、荷物受け渡しするタイプでした・・・。)
磯上がり後、まだ時間があったので、船長が船の上から投げていいよ、といっていただき、95SDでまた投げ倒しました。
ただ、イルカが出たのでダメでした。
何年かぶりに、95SD+SW18000、ファイナルスタンダップ+アベットのタックルを投げ倒したので、腕が死にました。
指は攣るし、上腕の筋肉はボロボロになりました。腕立て伏せとか、ジムで鍛えるような筋肉ではないです。キャスティングすることでしか鍛えられない部分だと思いました。
持っていく水分補給について。曇っていたので、そこまで熱中症については心配はありませんでした。ただ、天気が晴れている場合は、水分4リッター以上は持っていく必要はあるようです。
(島には商店があり、そこで購入可能、ポカリ・アクエリアス、水、お茶など お菓子類、アイスもあり)
あと、堤防にて、また帰りのフェリー乗り場で、高齢の大物釣り師の方とお話しできました。携帯で70歳以上の友人が50KgのGTを釣った写真を見せてもらったり、GTの季節についてお聞きしたり、昔のアルバムを持って来てもらって見せていただきました。「与那国とかも行ったけど、ココは次元が違うよ」と教えていただきました。昔は道具も今のように整っていなく、ラインもおそらくナイロンしかなかったでしょう。「ロックショア」なんて言葉もなく、本当に限られた、磯に狂ってしまった人だけの世界だったのでしょう。
総括:一番よく見た魚は、残念ながらボラとサメでしたが、ポテンシャルは肌で感じました。ちょっとトカラが行きにくい状況(コロナ関連で)なので、きちんとPCR検査を受けて、気兼ねなく受け入れをしている小笠原は検討する価値はあると思います。
遠征費用や、写真はまた別途書くようにします。